岡山のお酒を知る 岡山のお酒は、こんなにすごい!

岡山の水

三大河川と醸造用水

岩石の岩 (吉井川・奥津渓) 撮影:藤崎 一希

水は日本酒成分の80%を占めており、水質の良否は酒質にも影響する。

岡山県下には、豊かな水量と良好な水質に恵まれた三大河川があり、その伏流水系は酒造用水として使用されている。

環境庁の「名水百選」に選ばれたのは、津山・美作盆地を流れ下る吉井川の最上流部には名水「岩井」と岩井の滝があり、勝山盆地を経由する旭川の源流には名水「塩釜の冷泉」、下流にはその伏流水でもある名水「雄町の冷泉」があり、新見盆地を経由する高梁川は上流に石灰岩地帯を持ち、伏流水系は醸造用水としての成分を適度に含んだ清水である。
















岡山の水

「いい酒、水の如し」といわれるように仕込み水は酒を左右する。名醸の地、岡山にはよい水と理想的な原料を育てる土壌とそして、気候に恵まれている。 いくら素晴らしい原料米を使っても水がよくなかったら意味がない。水がその酒の発酵に最も適したものであっても、お米が悪かったらまた意味がない。

岡山はその昔、標高1,200m級の蒜山などの火山帯の山が噴出し「くろぼく」という酸性の火山灰土壌を生じた。この時期に生じた断層線はいずれも北東~南西の走向をとっているので、断層線に沿って流れる、吉井、旭、高梁の三大川の本・支流は北東~南西。またはそれに直角の経路をとっており、中国山地の花崗岩地帯の土砂を大量に流下して、広いデルタを河口につくっている。

但馬杜氏が使う兵庫の「宮水」は硬水であり、京都の「伏し水」で丹波杜氏の使う軟水、岡山の名高い備中杜氏が使う軟水などそれぞれの水の性質に合わせて、杜氏が技を競うのである。仕込み水は生きた水を使うことが最良で、山から出て、地表を何度も通りながら湧いてくるような水は活性され、それだけ新鮮といえる。また、地表から130m下の水は450年前の水といわれている。

岡山で日本名水に選ばれている、「雄町の冷泉」(岡山市)は旭川の伏流水で分流の百間川はその東側に位置する。雄町の冷泉は舌に優しく喉ごしもさわやか、清浄、香潔といわれ、この地域には数多くの酒造家がある。もうひとつ、岡山県北に「塩釜の冷泉」(真庭市)がある。中国山地の蒜山三座の一つ、中蒜山中腹に湧く水が湧出量、日に2万6,000トンといわれている。この水は、舌に柔らかく甘く、冷たい、水温は18度で清澄なわき水である。 このように、岡山の水は三大河川の伏流水(山地への降水や河川、湖の水が水源となった地下水のこと)が豊富にあり軟水または中軟水が多い。

※硬度 水中のカルシウムとマグネシウムの合計量を示す尺度。工業上は100mg/l 以下が軟水、200mg/l 以上が硬水。中間は通常硬水と呼ばれるが、この基準では日本の水の大半は軟水。その為、一般的に比較的硬度の低いものを軟水、高いものを硬水という。

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